バス死亡事故、園側「虐待確認できていない」 改善勧告には従う姿勢

布田一樹
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 今年7月に男児(当時5)が送迎バスに閉じ込められて熱中死する事故があった福岡県中間市の双葉保育園で、職員が複数の園児らに頭をたたくなどの虐待があったとして、県と市が運営法人に改善勧告を出した。

 これを受けて保育園の代理人弁護士が21日に記者会見し、勧告に従って運営改善に取り組む姿勢を示した。一方で「我々としては納得できないというか、わからないところが山ほどある」とも述べた。

 県によると、特別監査の結果、職員が2019年以降、園児の足を取って逆さに持ち上げたり、バスタオルで巻いた状態で長時間トイレに放置したりといった虐待行為をしていたことを確認。この日、園の運営法人に対して、原因の検証や再発防止に向けた仕組み作りといった4項目について11月22日までに報告するよう勧告した。

 これに対し、園の代理人を務める石渡一史弁護士は、いずれの項目についても取り組む考えを表明。今後、保護者が園の様子を見学する機会を作ることや、職員に虐待に関する研修を実施することなどを検討するという。

 一方で、石渡弁護士によると、事故後の7月31日に開いた説明会では保護者から職員の虐待行為を指摘する意見が出たものの、その後の弁護士による保護者への情報提供の呼びかけや、職員への聞き取り調査では、県から指摘されたような虐待の情報は確認できなかったとしている。

 この日の県の勧告書も、いつ、誰が、どのような虐待をしたかについて、具体的な情報は書かれていないという。

 石渡弁護士は「行政がどのように事実認定したかの過程が示されておらず、こちらとしても調査できない」と困惑を示しつつ「(虐待のような)話が出てくること自体は問題だと受け止めている。虐待はあってはならないことで、起きないようにという観点でいろんな準備をしていく」と述べた。(布田一樹)