「生前贈与に電子マネー必要」は詐欺 機転のコンビニ店員らに感謝状

高嶋将之
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 「ファミリーマート汐留タワー店」(東京都港区)でマネジャーを務める西島聖二さん(49)が、電子マネーを買おうとした70代の女性客に声をかけたのは8月6日のことだ。

 「骨肉腫闘病中で、生前相続できる人を探している。贈与には電子マネーが必要」。女性は携帯電話にそんな内容のメールが届いたことを説明した。

 「詐欺だ。家族に相談してください」。西島さんと同僚はそう説明し、110番通報した。女性は納得せず別の店に向かったが、西島さんは付き添って歩いた。

 この女性は2日前にも同じ店にいた。電子マネーを手に携帯電話を操作しているのを、客として居合わせた会社員の菅原渚さん(33)が見かけた。菅原さんは女性に声をかけ、110番通報をした。

 いずれの日も、通報を受けた警察官が特殊詐欺だと判断。女性が持っていた電子マネーが悪用されることもなかった。

 警視庁愛宕署は20日、西島さんと菅原さんに加え、定期口座の解約を希望した客が詐欺被害に遭うのを防いだとして、芝信用金庫新橋支店の岡部真佳さん(24)と同支店に感謝状を贈った。

 「警察から注意をするように言われており、意識を高く持っていた」と西島さん。「ちょっとでもおかしいと思ったら、今後も積極的に声をかけるようにしたい」と話した。菅原さんも「勇気を出して声をかけてよかった」とホッとした表情を見せた。(高嶋将之)