南米で最古の「恐竜の群れ」化石を発見 約1億9千万年前に集団生活

小堀龍之
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 南米の約1億9千万年前の地層から、恐竜80匹の骨や100個以上の卵の化石がまとまって見つかった。アルゼンチンなどの研究チームが「恐竜が群れを作って暮らしていたことを示す最古の証拠だ」として、科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。

 アルゼンチン南部のサンタクルス州で見つかったのは、植物食恐竜ムスサウルスの化石だ。「ねずみ竜」という意味の名前で、赤ちゃんはネズミのように小さかったが、大人になると全長8メートルほどになり、二足歩行したと考えられている。

 研究チームによると、化石が見つかった地層の岩に含まれる放射性元素を分析したところ、約1億9300万年前のジュラ紀にさかのぼることが判明。これまで見つかった恐竜の群れの記録より4千万年以上古かったという。

 成体や若い個体、赤ちゃんや卵の化石が、それぞれ複数まとまって見つかり、研究チームは「複雑な社会的行動の証拠」としている。ムスサウルスは生涯を通じて群れで暮らし、集団営巣して、群れの中では主に同年代の仲間と一緒に行動していたとみられるという。

 また、はっきりした年代はわかっていないが、ジュラ紀の恐竜では、ほかにも中国のルーフェンゴサウルス、南アフリカのマッソスポンディルスという恐竜も群れで暮らしていた可能性がある。

 植物食恐竜の体が大型化し、必要なエネルギー量が増えたことで、食べ物を求めて長距離を移動するようになり、群れをつくるようになった可能性があるという。

 論文は科学誌のサイト(https://www.nature.com/articles/s41598-021-99176-1別ウインドウで開きます)に発表された。(小堀龍之)

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