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9月に突然病床が空いたわけ 東京・葛飾区の病院長が語る「第5波」

有料会員記事新型コロナウイルス

柏木友紀 聞き手・柏木友紀
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酸素投与などの処置を行っているコロナ専用病棟(ガラス越しに撮影)=12日、東京都葛飾区の平成立石病院
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 この夏、新型コロナウイルスの感染拡大で、医療は崩壊の危機に陥った。病院内では何が起きていたのか。専用病棟や入院待機者向けの酸素ステーションを設けて多くの治療にあたった、東京都葛飾区の平成立石病院の大沢秀一院長に今後の備えも含めて聞いた。(柏木友紀)

 今夏はこれまで経験したことのない危機で、45床あったコロナ受け入れ病床はほぼ満床が続きました。当院は地域の救急と急性期医療を担う総合病院で、本来は中等症までの対応なのですが、高次医療病院に転院できないので、気管内挿管もしていました。一方、受け入れた患者数の2倍以上の救急要請を断らざるを得ませんでした。

 8月下旬、専用病床を73床まで拡大し、一般病床は通常の半分近くに縮小しました。昨年4月~今年9月末のコロナ入院者数は981人、入院待機ステーションで受け入れたのは213人、カクテル療法は63人に実施しました。

 重症者には、気管内挿管や、鼻に差し込んだ管から高流量の酸素を送る「ネーザルハイフロー」処置を行いました。患者の意識がある状態で治療ができるので回復が早く、スタッフの負担も比較的少なくて済みました。

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ネーザルハイフロー装置の使い方を説明する大沢院長。ブルーの管の先を鼻に入れ、高流量の酸素を吸入する=2021年10月12日、東京都葛飾区の平成立石病院

BMIが30以上はリスク大

 ウイルスに侵された肺を休ませる「うつぶせ療法」も効果的でした。軽症者は基礎疾患があっても、早期にカクテル療法を実施すると重症化せず、回復が早いことなども分かりました。

 入院患者で多かったのは、BMI(体格指数)が30以上の肥満症の人。40~50代が中心で、肥満症に伴う高血圧や糖尿病などの生活習慣病が見られるのに、検診を受けていない人も少なくなかった。ぜんそくや慢性閉塞(へいそく)性肺疾患などのある人、喫煙者も目立ちました。

 一方、2回目のワクチン接種完了後に感染する「ブレークスルー感染」はゼロでした。2回目を打ってすぐの人が1人。ただスタッフでは、4月に2回目を完了した2人が感染しました。いずれも軽症で、ワクチンの有効性もまた身をもって知りました。

急にベッドがガラガラに

 第5波では国内の重症者が2…

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