故郷ではない でもスゴイよ(笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考)

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藤村忠寿(HTB「水曜どうでしょう」チーフディレクター)

 大学に入るまでは名古屋に住んでおりまして、冬になれば長野県までわざわざスキーに行っていました。小学生のころは父親に連れられて、中学生になるとスキーバスに参加して、高校時代には友達と夜行バスに乗り民宿に泊まって、一日中滑りまくって、それはそれは熱心に通っていたものです。ところが北海道に住むようになるとスキー熱がみるみる冷めていきましてね。今となってはスキー場まで車で10分という好立地に自宅を構えていながら、まったくスキーをしなくなりまして。

 こういうことってありますよね。「いつでも行けるから」という余裕があると、人は興味の対象を他に探すようになるんですよね。評判を聞いてわざわざ遠くのラーメン屋まで行って「来た甲斐(かい)あったわぁ! こんな店がウチの近くにあれば毎日でも通うのになぁ」なんて言うけど、そんな人に限って絶対毎日通わないですよね。だって毎日食ったら飽きるし、やっぱりなかなか行けない店の方に興味を奪われてしまいますもんね。

 どんなに楽しいことでも、どんなに美味(うま)いものでも、それがいつでも手の届くものになってしまうと途端に興味を失い、その魅力すら忘れてしまう。私にとっては「北海道」という土地がまさにそうでして。

 北の大地に憧れて北大に入学…

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