福島原発PR看板、ひっそり実物→レプリカに 伝承館「劣化の恐れ」

福地慶太郎
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 「東日本大震災原子力災害伝承館」(福島県双葉町)で展示する「原子力明るい未来のエネルギー」の標語看板が実物からレプリカにひっそりと変更されていた。伝承館は劣化を防ぐためと説明するが、実物の展示を求めてきた標語の考案者は「実物と誤解する人もいる。レプリカとちゃんと説明すべきだ」と話す。

 東京電力福島第一原発事故の前、全長16メートルのゲート型の看板がJR双葉駅前の商店街の道路をまたぐように立っていた。事故後に原子力推進の負の遺産として注目され、町などが伝承館での実物展示を求めてきたが、大きさなどを理由に写真展示にとどまっていた。

 しかし、実物展示を求める声は強く、伝承館は方針を転換。今年3月から、屋外に設置した看板の土台に実物の90センチ四方の文字盤計14枚をはめこんで展示していた。

 ただ、伝承館によると、屋外では紫外線や潮風の影響で劣化する恐れがあったため、レプリカの文字盤を作成。8月に交換し、実物はくすみやひび割れがあり、建物内で保管しているという。

 伝承館は「大きく展示が変わるものではない」(担当者)として、展示の切り替えをホームページなどで公表していない。また、屋内展示もスペースがなく、難しいという。

 標語を考案し、当初から展示を求めてきた双葉町の大沼勇治さん(45)は18日に伝承館を訪れ、展示の変更を知った。「みんなの声を受け、実物が展示されたのに、後退した。看板を目当てに来る人は多いと思うので、当時に近い状態で実物を展示してほしい」と話した。福地慶太郎