検査の報告書確認せず 肝細胞がんで女性死亡 名古屋市立大病院

木村俊介
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 腹部の超音波検査で肝臓に異常な所見があったとする報告書を確認せず、適切な対応を怠り、患者が肝細胞がんで亡くなったと名古屋市立大学病院(名古屋市瑞穂区)が21日、発表した。検査結果を受けて詳細な検査をしていれば、早く治療に入れたという。

 大学病院によると、亡くなったのは名古屋市の60代の女性。2005年から腎臓の機能低下や脂肪肝で腎臓内科を受診していた。女性は14年8月に腹部の超音波検査を受け、結果の報告があった。その日は代理の医師が診察。主治医は9月に診察をしたものの、報告書を確認しなかった。肝臓に直径4センチほどの塊状のものがあったという内容で、主治医はその後も詳しい検査をしなかったという。

 2年後の16年8月、女性が腹部の痛みを訴えて大学病院に救急搬送され、肝細胞がんと診断された。その際、超音波検査の結果が伝えられていなかったことも判明。治療を続けてきたが、女性は今年3月に亡くなったという。

 大学病院によると、代理の医師は報告書の異常所見について電子カルテに記したものの、女性には主治医から伝えるべきだとして説明しなかった。主治医は電子カルテの記載を見落とし、報告書の内容も確認しなかったという。

 大学病院は、報告書を確認して詳しい検査をしていれば、より早く肝細胞がんと診断し、切除などの治療ができたと判断した。

 再発防止策として、検査結果の確認漏れや引き継ぎ漏れがないよう院内で注意喚起したほか、検査結果の報告書ができた時点で検査を依頼した医師にアラートを表示するよう電子カルテシステムを改修したという。(木村俊介)