政治に求めるものは? 投票先どう決める? 愛媛大生4人に聞く

2021衆院選

構成・足立菜摘
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 選挙権が18歳以上に引き下げられて4回目の国政選挙投票率の低さが指摘される若者は、政治に何を期待し、どうやって投票先を決めているのだろう。教育活動ワークショップを通じ、子どもたちの社会参加を促す松山市のNPO法人「NEXT CONEXION」で活動する愛媛大の学生4人に聞いた。

 ――皆さんは、政治家に何を求めていますか。

 木下博斗さん(4年) 僕は大学で教育を専攻しているのもあるんですが、教育に関する予算にもっと力を入れてほしい。少子高齢化で社会保障に傾くのは仕方がないとは思うんですけど、これからの社会を担っていく子どもたちに、もうちょっと目を向けてほしいなっていうのはあります。

 森永光彦さん(4年) 僕は実家が大洲で、3年前に西日本豪雨を経験しました。だから、災害に対する補償とか、発災時にすぐ対応してくれるとか、安全なエネルギーであるとか、ちゃんと自分たちの安全を確保してくれる政治家を求めています。

 石田優華さん(3年) コロナ対策というか、日常生活に早く戻してほしいという思いが強いです。自分が今、大学にずっと通えていなかったり、教育実習もできたけれど制限がいろいろあったり。学生以外でも、修学旅行に行けなかったり、運動会もすごく制限があったりとか。早くもとに戻してほしい。

 徳永彩羽(いろは)さん(1年) 全て、自分も思っていることです。若者の声を聞いてほしいなっていうことを、一番伝えたいです。

 ――今の政治家の選挙活動をどう見ていますか。

 森永 選挙活動を受けて気持ちが変わるというのがないのかな、と思います。「やってるなー」と思って、それで終わる感じ。

 徳永 私も車であいさつしている人を見ても「いるなー」という感じです。

 石田 誰に投票しようかというのが決まっていないのに、選挙活動が自分にとって遠いところで行われているっていう印象です。もう少し、身近に感じられる内容をもっと提供してもらえると、自分たちに関係していることだって、つながるのかな。

    ◇

 ――若者の投票率の低さをどう感じていますか。

 木下 政治に対する無気力感というか、「投票しても変わらんやん」という感覚がありますよね。政治家も、投票率が低いんだからと若者を意識した政策をとらなくなるし、若者側からしても見てくれないんだから投票しても意味ない、政治参加しても意味ないっていうような、お互いがマイナスの方向に行っている印象があります。

 徳永 有権者じゃない子どもの時から、日頃から家族とか友達と政策について話す環境が日本にはないのかなと感じていて。18歳になったから、というんじゃなくて、もっと前の段階で、学校教育でもそれ以外の場でも、政治について話し合える環境があったら、もうちょっと投票率も上がるんじゃないかなって。

 ――普段、友達と選挙の話はしますか。

 木下 僕は話しますね。今日もちょうど、後輩と自民が単独過半数を割るかどうか話しました。

 森永 僕は、わざわざ話すことはないなあ。

 徳永 私も。わざわざ話す内容でもないっていうのと、雰囲気的に難しいのと、両方かな。

 石田 私も似ている感じで、友達と選挙の話はしなくてもいいかなっていう感じです。

 ――話す空気にならないのは、どうしてだと思いますか。

 徳永 みんな趣味の話とか学校生活の話とかが主なので、その中で政治っていう硬い話をしたら、場が壊れるんじゃないかなって。

 石田 外国から来た先生から「日本の学生は政治について話す機会が本当に少ない」っていう話を何度も聞きます。話す機会が頻繁にあったら、必然と日常の中にも出てくるようになるのかな。

 森永 自分の中では、政治についてしゃべることに自信がない。恥が露呈したらどうしよう、分かってないんじゃないかって友達に思われたらどうしようと思ってしまって。

 木下 ひとつはやっぱり、政治が身近じゃないんやと思っています。例えばまちづくりを考えていく時に「こんな町になったらいいな」「多様な人が暮らしやすくなったらいいな」っていうようなことは言うんですけど、それが政治とすごく密接に関連してるっていうことを、多分意識してないんですよね。「政治は政治」「まちづくりはまちづくり」って、切り離して考えている。

    ◇

 ――そんな中で、投票する人をどうやって決めているんですか。

 石田 私は、地域の行事で関わったことがあるとか、自分が話したことがある人の方がやっぱりいいかなって。実際に話しているのを見たことがないと、その人がどういうことをやっているのか、あまり興味が持てません。

 徳永 私は自分の中にこういう問題はこう思う、これはこう思う、というのがあって、それを基準にします。だから、レーダーチャートみたいにパッと分かるものがあったらいいな。

 森永 僕はみんなみたいに積極的な選び方じゃなくて。自分とは考えが逆で「それが実現したらやばいな」と思うと、その人はやめる、という選び方です。

 木下 僕の場合、候補者が知り合いというのもあって、あまり客観的に見ることがない気がします。政策も大事ですけど、その人の人柄で。無意識のうちに判断にバイアスがかかっているのかな。

 ――皆さんはイベントなどを通じて子どもの主権者教育に取り組んでいます。同年代や政治家に伝えたいことは何ですか。

 木下 学校教育で、もっと政治の話をした方がいい。家や友達と話しにくいなら、なお学校で、もっと政治に触れて身近に感じられるような空間がつくれたらいいなと思います。

 石田 自分から政治に興味を持って関わりに行こうとする姿勢を大事にしましょうと言いたい。

 徳永 政治っていうものは、ネガティブじゃなくてポジティブなものであるべきだと思う。未来の社会をつくっていくというイメージを持って、政治や社会に参加していきましょう。

 森永 僕は政治の話をして間違ってたらどうしようとか、恥ずかしさがある。その恥ずかしさを受け止めてもらって、許してもらって、一緒にお話ししてほしいと伝えたいです。(構成・足立菜摘)

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