草千里の観光できます 風評被害防止へ情報発信 阿蘇の観光関係者ら

城戸康秀
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 熊本県阿蘇山の中岳第1火口で噴火が発生したのを受け、観光分野での風評被害を防ごうと、阿蘇市と旅館・ホテル組合が修学旅行先に連名で文書を配るなど対策を急いでいる。21日に地元市町村を視察した蒲島郁夫知事は「生きている阿蘇(山)を今なら見ることができる」と、情報発信に力を入れる考えを示した。

 阿蘇温泉観光旅館協同組合(稲吉淳一理事長)によると、2016年10月に中岳第1火口で爆発的噴火があった際には、修学旅行のキャンセルが相次いだ。その際、学校や旅行会社から「旅行に行くことに問題がないなら、市長の安全宣言のようなものを出せないのか」といった声があがり、佐藤義興市長と連名の文書を作って配布した。

 今回、組合は噴火直後に文書作成を市に打診し、佐藤市長と稲吉理事長連名の文書を20日のうちに旅行会社や学校に配った。稲吉理事長によると、これまでのところ組合に修学旅行のキャンセルの情報は寄せられておらず、「前回の教訓を生かすことができた」と話す。

 ただ、個人客のキャンセルはあり、蒲島知事が視察した阿蘇市と高森町、南阿蘇村からは、風評被害防止への協力要請が相次いだという。視察後に報道陣の取材に応じた蒲島知事は、正確な情報発信が必要だと強調。具体的な内容として、①立ち入り禁止区域は火口から約2キロ圏で、草千里までは観光できる②20日の中規模噴火以降は広範囲の降灰はみられない③降灰による農業被害はあるものの地域住民の生活には影響が出ていない――を挙げた。(城戸康秀)