米軍、極超音速兵器の実験に成功 中国やロシアとの開発競争が続く

ワシントン=高野遼
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 米海軍は21日、陸軍と合同で実施した極超音速(ハイパーソニック)兵器の実験に成功したと発表した。実験はバージニア州の米航空宇宙局(NASA)の施設で20日に行われた。音速の5倍(マッハ5)以上で飛ぶ極超音速兵器は、中国やロシアとの間で開発競争が進んでいる。

 発表によると、今回の実験は極超音速技術を現実的な運用環境で試験したもので、3発のロケットを打ち上げたという。海軍は「極超音速ミサイルの開発において重要な一歩だ」としている。

 一方、米国防総省によると、21日にアラスカ州で極超音速兵器の技術開発に向けたデータ収集のために実施した別の実験は、ミサイルブースターの不具合により失敗に終わった。ブースターは実験目的の装置で、極超音速兵器に直接使われるものではないという。

 国防総省は昨年3月にも極超音速兵器の発射実験に成功しており、2020年代半ばまでの実戦配備を目指している。

 今月16日には英紙フィナンシャル・タイムズが、中国が核搭載可能な極超音速兵器の実験を行ったと報じた。中国外務省は宇宙船に関する試験だったと報道を否定している。

 オースティン米国防長官は18日、「我々は地域の緊張を高めるだけの中国の兵器と先進的能力・システムの開発を注視している」とコメント。バイデン大統領も20日、極超音速兵器への懸念を持っているかと記者団に問われて「イエス」と答えた。(ワシントン=高野遼)