138億円かけたのに…農地情報システム使われず、会計検査院指摘

後藤遼太
[PR]

 農地の情報をインターネット上で公開するため、国が約138億円かけて整備した情報公開システムを会計検査院が調べたところ、日常的な利用率が2割に満たないことがわかった。情報の更新が遅く、使い勝手が悪いことなどが原因とみられ、検査院は22日、農林水産省に改善を求めた。

 従来は、農地の種類や面積、権利関係といった情報は各市町村の農業委員会が農地台帳で管理してきた。閲覧は農委まで行く必要があったため、国は2013年から農地情報を一元化するシステムを構築。農地台帳のデータを移行し、誰でも利用できる「全国農地ナビ」などを「農地情報公開システム」として整備した。

「操作性悪くて…」ぼやく現場

 検査院が17道県の783農委に利用状況を調べたところ、8割に当たる620農委が日常的に利用しておらず、369農委は全く使っていなかった。

 原因の一つと検査院がみるのが情報の更新状況だ。農地の持ち主が変わるなど更新が必要な際に、更新していたのは187農委(24%)のみ。更新が数カ月~1年に1回という農委も多く、343農委(44%)は全く更新していなかった。関係者は「最新情報でないと意味がなく利用も伸びない」と話す。

 検査院が農委にアンケートしたところ、「既存の農地台帳に必要な機能が備わっている」(573農委)「システムの操作性が悪く使用に耐えない」(355農委)などの回答があった。

 農水省は「利便性向上など、絶えず改善していきたい」としている。一方、北海道のある農委の担当者は「システムは必要なデータなどが一部利用できない。しばらくは農地台帳と二重管理せざるを得ず、負担が増える」と打ち明ける。(後藤遼太)