いきもの目線:美顔でスタイル抜群ヘビクイワシ 得意技は強烈キック

竹谷俊之
【いきもの目線】ヘビクイワシ@東武動物公園=2021年9月28日、竹谷俊之撮影
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 今回の「いきもの目線」の主人公は、世界一美しい鳥ともいわれるヘビクイワシだ。目の周りが鮮やかなオレンジ色の顔立ちと、すらりとした細長い脚で優雅に歩く姿は、まるでファッションショーでウォーキングを披露するモデルのよう。東武動物公園埼玉県宮代町)の協力で、360度動画の撮影をした。

 アフリカのサハラ砂漠以南に生息する猛禽(もうきん)類の仲間。全長約1~1・5メートル、体重は約2~4キロで大型の鳥だ。顔立ちや脚以外にも、グレーがかった白い毛並み、翼の後方に並んでいる黒い風切羽、長いまつげなども特徴。後頭部の冠羽は、羽根ペンを連想させるとして「書記官鳥」ともいわれている。

 絶滅危惧種に指定されているヘビクイワシの繁殖に取り組んでいる同園では現在、6羽を飼育、展示している。今回は5月に生まれ、人工育雛(いくすう)で育てた「ちゃづけ」を含む同園生まれの3羽がいる展示場で撮影をした。

 「当園のヘビクイワシは、ヘビは食べていません」と飼育係の光山小夜子さん。野生下では名前の通りヘビなどの爬虫(はちゅう)類、小型の哺乳類や昆虫などを食べるが、園では馬肉や鳥肉を与えているという。

【動画】東武動物公園の飼育係がヘビクイワシを解説=竹谷俊之撮影

 早速、カメラを設置して、肉を置いてみた。見慣れない物を警戒し、羽を広げたり、遠めから様子を見たりしてなかなか近づかない。しばらくして、1羽が近づいて食べ始めた。ただ、力が強い鳥から餌にありつくため、3羽がカメラを囲んで食べるようなシーンは撮影できなかった。

 ヘビクイワシの動きを見ていると、細長い脚を使って地面を蹴るようなしぐさをする。光山さんによると、展示場に入ってきた昆虫や、枝を小さなヘビやトカゲと思って、狩りをしているのだという。

 狩りの際は、獲物の頭部をめがけて何度も蹴って、踏みつけることで弱らせて捕食する。得意技の強烈キックで猛毒のコブラも倒すその脚力は、体重の約5倍という。

 見た目は美しいが、獲物を仕留める際は荒々しいヘビクイワシ。そのギャップは大きいが、夫婦の絆が深い鳥としても知られる。つがいになると生涯離れることは無いといわれ、ひなが巣立った後も一緒に生活を続けるという。

 ヘビクイワシは、スーダン南アフリカの国章のデザインにもなっている。(竹谷俊之)