第6回増えた共働き、でも収入は伸びず… データから見た家計の変化

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松本紗知
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 「どのタイミングで妊娠すれば、いちばん保育園に入りやすいでしょうか」

 ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、この10年で、こうした質問を受けることが一気に増えたそうだ。仕事に穴を開けず、家計への影響を最小限にしようという、切迫した様子を感じるという。

 夫婦共働きの世帯は、1990年代に専業主婦世帯を上回り、今では2倍以上の差になった。

 「かつては専業主婦がステータスという時代もあったが、今は夫婦2人の収入で家計を成り立たせているケースが多い。仕事との兼ね合いで、子どもがもう1人ほしくても諦めるという人もいる」

人生設計もオーダーメイドの時代」

 この20年間で、雇用の流動化も進んだ。非正規雇用者も増え、総務省労働力調査によると、昨年の雇用者に占める非正規雇用者の割合は、男性で22・1%、女性で54・4%。一方、コロナ禍で非正規雇用者は減少に転じており、雇用の調整弁としての不安定な環境が顕在化した。

 一つの企業に定年まで勤めることも当たり前ではなくなってきており、2019年には、転職者数が比較可能な02年以降で最多の351万人になった。夫の転職による無給期間をどうやりくりして乗り切るかといった相談も、近年増えたという。

 また、妻が働き、夫が家事育…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2021年10月25日19時28分 投稿

    【視点】よい記事なので、もう少し深掘りしたい。 そもそも「共稼ぎなら世帯所得が上がるはず」という発想を疑うべきではないか。大卒正社員層は、どうしても「正社員どうしの共稼ぎ世帯」をイメージしがちだ。 しかし、日本社会の多数派の「共稼ぎ」は

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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2021年10月24日21時32分 投稿

    【視点】この記事は、本質を突いている。賃金は上がらない中で、社会保険料の上昇によって手取り収入は減少していく構図だ。そして、社会保障の将来見通しの不安から老後の備えも考えなければならないし、こどもの教育費も悩みの種だ。 この構図を変えていくた

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