小中学生の不登校が過去最多に 専門家「一斉休校で昼夜逆転の子も」

聞き手・高浜行人
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 不登校の小中学生が増え続けています。文部科学省が10月に発表した2020年度の問題行動・不登校調査では、約19万6千人と過去最多になりました。なぜなのでしょうか。新型コロナウイルスの影響は――。不登校をめぐる文科省の有識者会議で委員を務める奈良女子大学大学院の伊藤美奈子教授(学校臨床心理学)に聞きました。

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 不登校の要因は学校に関わるものや家庭環境によるものなど多様で、一つに特定することは難しい。ただ、いずれも新型コロナによる自粛生活が影を落としている可能性はある。

 一斉休校ゲーム依存のような状況になって昼夜逆転した子がいる一方、虐待件数も増えていることを考えると、家庭内のしんどさがからむケースもあっただろう。休校が明けても、部活動の大会や修学旅行などの行事が中止になり、学校生活にやりがいを見いだせなくなった子もいる。

 学校に行くのが苦しく、不登校になることで救われる子もいるのは事実だ。ただ、不登校であることにしんどさを抱える子は多い。文科省の昨年度調査では、小中高校生の自殺者数は過去最多に上り、コロナの感染回避のために長期に休んだ子のなかにも、不登校傾向の子が含まれる可能性がある。

 まずは学校が、一人ひとりについて不登校の背景をアセスメント(分析)することが重要だ。

 そのためには、学校の先生に子どもを見る余裕が必要になる。不登校に悩む保護者のサポートも必須で、教員だけでは難しい。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー養護教諭も含めて校内で分担しやすくし、教育支援センター(適応指導教室)など外の機関とつながることも重要だ。

 教員も含め、こうした様々な人材が増えることが望ましいが、大きな財政措置が必要で、すぐに進むとは考えにくい。学校ごとに簡略化できる仕事を見きわめ、適切に省くことも求められる。保護者も悩んでいることが多いため、学校だけでなく、当事者同士のグループや地域のサポートも受けられるのが望ましい。(聞き手・高浜行人)