中国の新エネ車の販売倍増、全体の1割強 小型車とテスラが牽引

柳州=奥寺淳
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 中国における1~9月の電気自動車(EV)などの「新エネルギー車(NEV)」の新車販売が215万7千台となり、新車販売に占めるNEV比率が昨年1年間の5・4%から、11・58%に倍増した。中国工業情報化省などが明らかにした。日本円で50万円前後の小型EVや、世界最大手の米テスラの販売が伸びたことなどが要因という。

 広西チワン族自治区柳州で開かれた「新エネルギー車国家ビッグデータ連盟」のシンポジウムで、同省幹部が、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)といったNEVの最新の普及状況について説明した。今年3月からNEVの月間販売台数は20万台を超え、8月には約32万台、新車全体の17・84%に達し過去最高となったという。

 1~8月のNEVの売り上げトップは、上汽GM五菱の「宏光ミニEV」(25万860台)。日本の軽自動車並みの大きさで、2・88万元(約51万円)からの低価格が「通勤・買い物車」として支持された。トップ10のうち、小型車が5車種を占めた。同連盟の関係者によると、昨年から今年にかけて小型の新車種が増えたことが全体を底上げしたという。

 また、テスラが中国国内で生産した乗用車とスポーツ用多目的車(SUV)がそれぞれ、2、3位に入った。

 中国では、EV販売に政府が補助金を支給して普及を後押ししてきた。さらに上海や北京、広州などの大都市では大気汚染の抑制などを理由に、車のナンバープレートの発行を規制しており、ガソリン車のナンバーはオークションで数十万円から100万円以上する。これに対し、EVなどの「緑ナンバー」はほぼ無料で発行され、政策でEVへの誘導をしてきた。

 さらにコロナ禍で車用半導体などの調達が滞り、ガソリン車やハイブリッドに強いトヨタなどの大手が減産しているが、上汽GM五菱は「現時点では減産していない」という。

 ただ、中国でもEVの電池が数年後に劣化したり、中古車の下取り価格がガソリン車やハイブリッドより安かったりするなど、技術などで克服しなければならない課題は多い。(柳州=奥寺淳