途上国へのワクチン支援、道半ば 供給に遅れ、先進国3回目に不満も

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サンサルバドル=岡田玄 遠藤雄司 ハノイ=宋光祐
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 新型コロナウイルスのワクチンを共同調達し、途上国にも公平に分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」が供給を始めて約8カ月が過ぎた。中米やアフリカ、アジアの現場を訪ねると、コロナ危機に対する国際協調の試みの成果や課題が見えてきた。

 地域を回るミニバンが次々と到着し、未接種の住民を降ろすと、接種を終えた人を乗せて去っていく。

 最貧国の一つ、中米エルサルバドルの首都サンサルバドルにできたワクチン接種センター。弟(8)と妹(16)を連れてきた主婦のアリソン・ソレアノさん(20)は「やっときょうだいも打てた」と喜んだ。

 1年ほど前、友人2人が新型コロナに感染して亡くなった。「家族が感染しないか、ずっと怖かった。外国から送られたワクチンには本当に感謝している」

 このワクチンを供給したのがコバックスだ。世界保健機関(WHO)や、途上国などでワクチン普及を進める国際組織「Gaviアライアンス」などが主導。21年中に世界で14億2500万回分を供給する見通しだ。

 人口630万人のエルサルバドルは今年6月までに割り当ての41万7400回分を受け取ったほか、7月にも150万回分の供給を受けた。今月5日までに350万人が2回目の接種を終え、中米諸国ではパナマと並んで最も高い。

 フランシスコ・アラビ保健相は6日の記者会見で、「コバックスによるワクチンへの公平なアクセスは、世界中の命を救うために間違いなく、重要な役割を果たしている」と強調した。(サンサルバドル=岡田玄)

接種完了3%の国も

 WHOアフリカ地域事務局によると、アフリカ全体で9月22日現在、1億7740万回分のワクチンが供給され、うち約4割にあたる6750万回分がコバックスを通じて配られた。

 「コバックスのおかげで、欧米に行かなくても無料でワクチンを受けられてラッキーだ」

 ケニアの首都ナイロビから約140キロ離れた町で9月23日、トラック運転手のギデオン・オチョラさん(49)は英アストラゼネカ製ワクチンの接種を受け、ほっとした様子で喜んだ。

 朝日新聞助手が訪ねた施設で接種されているワクチンは、コバックスを介して供給を受けた。ケニアの新型コロナの感染者数は25万2千人、死者は5千人を超える。職員のパトリック・キアンバさんは「ワクチンを作ったり買ったりできないアフリカの国々には最高の仕組み。これがなければ犠牲者が増え、状況はより悲惨になっただろう」と感謝する。

 ただ、ケニアはワクチンの7…

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