ワンチャン・上級国民…ネット用語でたどる、格差と幻想の4年間

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小峰健二高津祐典
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 「AO入試はワンチャンあるかも」。福岡市で学習塾や単位制高校を運営する鳥羽和久さんは、受験生がこんなふうに話すのを耳にする。

 ワンチャンは、ワンチャンスの略語で、「もしかしたら」といった意味で使われる。マージャンやゲームで用いられていた言葉で、ネットを通じて普及したとみられる。

 前回の衆院選から、改元、コロナ禍、東京五輪・パラリンピックと歴史的な出来事が日本社会で相次いだ。この4年間はどんな時代だったのか。「ことば」から考えたい。

 最近は「日常語として定着した印象がある」と鳥羽さん。流布する背景には、「がんばれば報われる」という成長神話が崩れた「偶然性の時代」を生きる感性があるとみる。

 旧来の価値観やパターンを押し付けようとする大人へのレジスタンス(抵抗)として表れている点を好意的に捉えていて、「決められたレールを地道に進むより、ワンチャンという言葉にこそリアリティーを感じているのでしょう」と話す。

 テレビを彩る芸能人にならずとも、手軽にできるネットメディアで有名人になれる――。子どもになりたい職業を尋ねる調査でユーチューバーは上位の常連になった。

 一方で、再生回数を稼ぐため…

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