内部通報者捜しの違法性認定 郵便局長団体の幹部らに賠償命令

布田一樹
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 郵便局の内規違反を内部通報したことに対し、郵便局長でつくる団体の役員3人からパワーハラスメントを受けたとして、団体所属の郵便局長7人が総額2950万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁(松葉佐隆之裁判長)は22日、約200万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 原告、被告はいずれも、福岡県直方市などの郵便局でつくる「福岡県筑前東部地区連絡会」に所属する特定郵便局長。うち被告3人は、当時連絡会トップの統括局長や副統括局長を務めていた。

 判決によると、原告らは2018年、統括局長の息子の内規違反行為を指摘する複数の社員からの報告に基づき、日本郵便本社の内部通報窓口に通報した。これに対し、本社からの連絡で通報を知った統括局長は19年1月、原告の1人を呼び出して内部通報をしていないか複数回確認し、「(通報者を)絶対つぶす」などと発言した。ほかの被告2人も、原告に役職を辞任するよう求めるなどした。

 こうした行為について、判決は「人事上の不利益があることを示しつつ、通報者であることを認めさせようとした」として違法性を認定。「内部通報の秘匿性を侵害した」と批判した。

 統括局長はその後懲戒処分を受け、退職。内部通報を認めるよう強いたとして強要未遂罪で福岡地裁に在宅起訴され、懲役1年執行猶予3年の有罪判決が確定している。(布田一樹)