氷河期、40代男性…複雑な個人くくる限界 行動データが変えるか

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伊藤大地
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メディア空間考 伊藤大地

 「あなたは40代男性、東京在住ですか。『氷河期世代』でらっしゃいますね。でしたら、こんな記事がオススメです」。もしあなたのスマホにこんな通知が来たら、どうだろうか。私だったら、そんなアプリは消してしまうだろう。

 インターネット以前、私たち作り手にとって、読者の存在は不思議なものだった。確実に存在している。売り上げや発行部数で、ある程度の数は把握できる。しかし、その一人ひとりが何をどう読み、あるいは読まなかったかを知ることは難しかった。

 確実に存在するのにその姿は見えない。だが、自分たちの仕事を評価し、もっと生々しい言葉で言えば生活を支えている。「お客さまは神様です」。そんな言葉が、別の意味でしっくりくるくらい、遠い存在だった。

 そんな時代に、抜けなく、漏れなく、ダブりなくユーザー全体をつかむには、性別や年齢や地域がもっとも簡単だった。新聞、テレビにラジオ。個人に直接、情報を届けられない時代の技術的限界だ。こうして、「40代男性、東京在住」の私ができあがる。しかし私にその自覚もなければアイデンティティーもない。「ビジネス都合の雑なくくられ方」だったと思う。

 インターネットで激変したの…

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