安全安心も学校任せ 内田良准教授が語るコロナ下の運動部活動

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聞き手 編集委員・中小路徹
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 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、多くの地域で学校の部活動は再開されました。昨夏に中止になった中高の大会は、今夏は開かれました。しかし、全国高校総体や全国高校野球選手権では感染者が出たなどの理由で出場を辞退する学校が相次ぎました。感染リスクの中の部活動をどう考えたらいいのか。部活動に詳しい名古屋大学大学院准教授(教育社会学)の内田良さんに、聞きました。

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 せっかく運動部の練習をしてきたのに大会がなくなったとしたら、部員のみなさんたちには気の毒だと率直に思います。大会開催にかかわる大人たちは、みんな同じ思いなのではないでしょうか。

 でも、いろいろなことを自粛しなければならない状況になった時、制度の面から優先順位を考えなければいけないなと思うのです。学校の部活動は課外活動の位置づけで、学習指導要領には「生徒の自主的、自発的な参加により行われる」と定められています。だから、部活動より授業が優先されなければいけません。

 6月からデルタ株が猛威を振るって若者の重症化も増え、学校の授業でさえ、ぎりぎりの状態になった。そんな中では、マスクもはずさなければいけない運動部活動の優先度は低く、むしろ大会が中止になった昨年よりも、本来はあきらめざるを得ない活動の一つでした。五輪やプロスポーツが開かれているのに、という気持ちを持つかもしれませんが、部活動は学校で行われている以上、授業との優先度の論理で回っていくべきものです。

「自主的」というあいまいな位置づけ

 実際には、感染のリスクがあ…

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