難民申請して4年、東京のゴム工場勤務で「安全な日常」は得たけれど

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 日付が変わっても電車が走り続けていた。「この国では電車が24時間走っているのか」。後で、新年の特別ダイヤだったと知った。

 2017年おおみそか。エチオピアの首都アディスアベバから、男性(30)は日本へ来た。その年の10月22日にあった衆院選を経て、第4次安倍内閣が発足し間もない頃だ。選挙前に自民党が出した政権公約は38ページ。表紙に「この国を、守り抜く」と書かれた冊子に、「難民」に触れた記述はなかった。

 午後8時に成田空港に着いた男性の所持金は10万円ほど。東銀座葛飾区のカプセルホテルから、キリスト教団体が運営する江戸川区のシェルターへ移った。

 「難民申請」をする必要があるのは知っていた。無料WiFiがつながる場所を探し、スマホ検索で難民支援協会を知った。来日して約10日後、品川駅近くの東京入国管理局(当時)で12枚からなる申請書を出した。

 母国では、大学で3年間マーケティングを学び、銀行に勤める傍ら、自身が運営するウェブメディアで記事を書いていた。刑務所に収容されたこともある。自国の経済や政治を批判する記事が原因らしい。「ここにいては危ない」。国外へ出る方法を探し、最終的に日本の観光ビザが取れた。「進んだテクノロジー」「独特な文化」。テレビ番組などから、そんなイメージを抱いていた。

■衆院選を前に、各党が政権公約などで難民政策に触れています【自民党】記載なし 【立憲民主党】「難民保護委員会」の創設などを柱とする難民等保護法案を制定 【公明党】アフガニスタンからの出国支援と避難民などに対する人道上の支援 【日本共産党】国連の指針の基づき、実情に即した難民認定に。認定行政は独立性を持った行政機関が行う 【日本維新の会】偽装難民問題に留意しつつ、難民申請者への支援強化、難民申請プロセスの改善 【国民民主党】記載なし 【れいわ新選組】難民認定手続きを緩和し、難民生活者の生活を保障 【社民党】難民認定率の問題に取り組む。移民・難民の排除ではなく共生を 【NHKと裁判してる党弁護士法条違反で】記載なし

 出入国管理法では、難民認定の審査中は日本に滞在する資格が得られるが、申請から6カ月は働くことができない。教会やNPOのフードバンクなどの支援を受けて生活をつなぎ、18年9月、知人の紹介で墨田区のゴム加工工場に職を得た。朝8時から夕方5時まで、プレス機を使う。給料は月17万円だった。

 その傍らで、中央区にある大…

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