世界で一つの風呂ンティア 何もなくとも、美術と建築で新たな集いを

有料会員記事

アートマネジャー・ドラァグクイーン

アートマネジャーでドラァグクイーンの緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんのコラム「VIVA LA VIDA!」。第4回は、ユニークな銭湯画アーティストのお話。長屋に向き合う建築家と、92歳現役大工も活躍中です。

[PR]

 画家の権田直博さんは、富士山を描くアーティストです。「風呂ンティア」は、権田さんが2011年に始めた個人宅の風呂に銭湯画を描くプロジェクト。これまでに54軒の家の風呂に富士山が描かれました。約3日間、各家に宿泊し生活を共にしながら制作。富士山に依頼主の肖像や旅行の思い出といったオリジナルモチーフを組み合わせ、世界で一つの銭湯画が完成します。何気(なにげ)ない暮らしの中に、ひとりでホッと息をつく瞬間や、家族と「いい湯だな」と笑い合える時間が生まれます。住まいの閉塞(へいそく)感を打破し、「コミュニケーションが生まれる場」としての暮らしや家の在り方を考える試みです。

 権田さんは、長屋のリノベーションに取り組む建築家の吉永規夫さん、92歳現役大工の長岩正一さんと組むユニット「N.P.O.」としても活動しています。「記憶と、記録と、家屋にのこる」をコンセプトに、吉永さんが設計し、3人で施工。完成後に権田さんが作品を描く共同制作が行われます。

 これまで、奈良県吉野町国栖…

この記事は有料会員記事です。残り642文字有料会員になると続きをお読みいただけます。