東京「離れない」「住む理由なくなった」 新たな価値と地方の限界

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釆沢嘉高、川見能人
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 大都市の開発が生んだ「東京一極集中」の利便性は、人々を魅了し、地方の人口を吸い寄せてきた。そこにいま、新型コロナをきっかけに新たな価値観や地方移住の動きが見え始めた。衆院選で各党は都市から地方への人の流れを後押しすると訴える。「集中」は解消するのか。(釆沢嘉高、川見能人)

 オフィスビルやタワーマンションが立ち並ぶ東京の湾岸エリア。その一角の豊洲(江東区)のマンションに夫と小学3年の長男と暮らす料理家、高橋ヒロさんは「ここを離れる理由が見当たらない」と言う。

 駅や学校、カフェに買い物。どこも「歩いて5分」の世界は、地方で育った高橋さんには手放せない好環境だ。仕事で遅い夜はマンションの別の階の「ママ友」に長男を預けられる。「人が集中しているからこそ、助け合いもしやすい」

 豊洲の人口はここ10年で1・5倍に増え現在約3万7千人。中心部の造船所が2002年に閉鎖してから、高層ビルやタワマンの建設ラッシュが始まった。

 同じ頃、港区や中央区の湾岸部でも開発が加速した。背景には東京都が01年、国際競争力アップに向けて「職住近接の市街地の形成」を掲げたことがある。それ以降、建物の容積率緩和が積極的に進められ、政府も特別措置法を制定し開発を後押しした。不動産調査会社の東京カンテイによると、99年には23区で43棟、8798戸だった20階建て以上のマンションは昨年、414棟、13万4746戸に増えた。

 00年から20年間で日本全…

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