北朝鮮からミサイル、中国からは違法漁船 漁業者「国に訴えても」

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小島弘之
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 「北朝鮮 日本海に向け飛翔(ひしょう)体発射

 衆院選が公示された19日午前10時26分ごろ、各局のテレビ画面に速報テロップが相次いで流れた。その数分前、海上保安庁が北朝鮮から弾道ミサイルの可能性がある飛翔体が発射されたことを発表していた。

 全国有数のスルメイカの水揚げ量を誇る石川県能登町の人々にとって、そのニュースはひとごとではない。県漁協小木支所の中型イカ釣り漁船が、能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内にある「大和堆」を主な漁場として、日本海で長期の漁に出ているからだ。

 「またか。北朝鮮の目的は脅しや威嚇だろう」

 同町で暮らし、乗組員の家族を持つ中年女性は報道で知った。

 日本海に向けた弾道ミサイルとその可能性がある発射は今年に入り4度目。内心、操業場所にミサイルは撃ち込んでこないはず、と考えているものの、落下地点は気になる。

 にもかかわらず、落下したのが日本のEEZ内なのか外なのか。それすらわからない。船に連絡を取ろうにも海上では携帯電話が通じない。発射の度に無事を案ずることしかできない。

 「すでに落下したと推定されます」。午前10時39分、県漁協小木支所のパソコンに水産庁からメールが届いた。同11時には、日本海上にいる漁船と無線連絡が取ることができる町内の無線局を通じ、船団の安否も確認された。この日は、島根県沖で操業していた。

 発射のたびに、緊張が高まる地元。「ミサイルが漁船に当たったら終わりだ。誰が責任を取るのか」。同支所の運営委員長・山下久弥さん(66)はそう語る。支所内では発射の頻度が増加することで、操業自粛を要請されるのではとの不安の声も出ている。

日本のEEZ、中国漁船が4倍に なぜ拿捕しない?

 小木のイカ釣り漁船は、大和…

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