世論に悪影響与える外国の投稿に罰則 シンガポール、人権団体は批判

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シンガポール=西村宏治
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 外国の政府などがSNSを通じて国内世論に影響を与える行為に対抗するため、シンガポール政府が新たに「外国介入防止法」を設けた。外国人や外国政府の関係するネットでのやりとりに幅広い規制をかける内容で、人権団体などからは批判が出ている。

 防止法は、シンガポールの治安などに悪影響を与えるとわかっているのに、外国の勢力を代表して電子的な投稿をすることなどを罪に問う。個人には最大で10万シンガポールドル(約800万円)の罰金、14年以下の禁錮もしくはその両方が科される。

 さらに、担当大臣には外国の介入があると疑われる情報の掲示を止めるようネット企業に求めたり、逆に情報を公開させたりする権限が与えられる。

 政府が想定するのは、こんな状況だ。「あるA国で人道危機が起き、シンガポールでも話題になった。そこでA国はシンガポールにB社を設立。B社は専門家などに見せかけた多数の人格を作ってネット上に多くのコメントを挙げ、シンガポール人が特定の見方を持つよう操った」――。

 政府は防止法が想定する対象国は明らかにしていない。だが担当大臣のシャンムガム内相兼法相は国会で「人種、宗教が入り交じった私たちの状況は、他国に利用されやすい。私たちは、異なったものの見方が着実に積み上げられていくのを見ている。非常にうまく行われている」と指摘。「それは明白な宣伝ではないが、特に外交政策について、人々の考えをある方向に導く環境をつくる。シンガポール人の同一性より、より広い民族の同一性を訴えることがよくある」などと語った。過半数を占める中華系のほか、マレー系、インド系などが混在しており、外国の影響を受けやすいとの見方だ。

 防止法は9月に国会に上程さ…

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