「ええとこで」抜けたトンネル 佐藤輝明復活 阪神、0差で最終戦へ

KANSAI

内田快
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 (24日、プロ野球 阪神タイガース7―2広島カープ)

 打った瞬間に入るとわかる打球の速度と角度。ベンチの前でのはにかむような「Zポーズ」。懐かしささえ、感じさせた。

 阪神の佐藤輝明が8月19日のDeNA戦(東京ドーム)以来、実に約2カ月ぶりの24号3ランを右翼席にたたき込んだ。二回1死一、三塁。広島・九里亜蓮の内角高めの直球をつかまえた。

 この1本が先制打にして決勝打。「すごい久しぶりだったので気持ちよかった。ヒーローになれることほどうれしいことはない」。久しぶりの笑顔を見せた。

 1969年に田淵幸一さんが作った球団新人記録を更新する23号を打ってから、長いトンネルに入った。

 前半戦に本塁打を量産した分、相手の徹底したマークにあった。胸元への速球、外角低めに落ちる球。高低を使った攻めに苦しんだ。リーグワースト記録の59打席連続無安打を喫し、2軍落ちも経験した。

 23号と24号の打撃フォームを比べてみる。構えたときの手の高さがあごのあたりだったのが、好調だった前半戦のときのように耳のあたりにまで上がっている。不振を何とか脱出できないかと模索した様子が、ここからもうかがえる。

 復調に時間はかかった。「遅すぎますけど」と本人も苦笑い。「相手の攻め方もだんだんわかってきている中で、なかなか捉えられないことが多かったが、今日は捉えられてよかった」

 首位を走ったチームも佐藤輝が不振の間に、2位に後退した。ヤクルトにマジック点灯を許し、一時は優勝は風前のともしびになった。

 だが、投手陣が奮闘し、ロースコアの試合を拾って、勢いを盛り返してきた。そこで、大物新人が待望の一発である。

 矢野燿大(あきひろ)監督は「ええとこで出てくれた。今後を考えても明るい材料の一つになる」。

 泣いても笑っても残るは26日の中日戦(甲子園)のみ。ヤクルトとのゲーム差はなし。負けられない状況に変わりはない。「残り一つ、そこ(優勝)を目指して戦いきるしかない」と矢野監督。高揚感に包まれて、阪神が本拠に戻る。(内田快)

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