深夜0時の鬼手、菅井竜也八段は激しく太ももを叩いた 残酷な明暗

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【順位戦LIVE】▲菅井竜也八段ー△佐藤天彦九段【第80期将棋名人戦・A級順位戦】
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いきなりの注目手

A級順位戦3回戦 ▲(先手)菅井竜也八段(1勝1敗) △(後手)佐藤天彦九段(1勝1敗)

 9月3日、大阪は強い雨の朝だった。午前9時半過ぎに関西将棋会館5階対局室に現れた菅井はノーネクタイのワイシャツ姿。引きしまった体から精悍(せいかん)な気力のほとばしりが感じられた。あとから来た佐藤は、例によって上から下まで黒を基調にした気品あふれるいで立ち。菅井は自然体で、佐藤はおしゃれ。両者それぞれのスタイルで、この大事な一戦に臨もうとしている。

 本局は立ち上がり、菅井の▲5五歩(図)がいきなりの注目手である。

写真・図版

▲5六歩1 △8四歩1 ▲7六歩 △6二銀 ▲6八銀1 △3四歩5 ▲5五歩1=図 (指し手の後ろの数字は消費時間〈分〉)

 「代わりに▲7七角△同角成▲同銀の進行ならよくあり菅井さんも何局か指している。▲5五歩はかなり珍しい。▲5五歩に△4二玉なら▲5七銀で、先手は駒組みの自由度が格段に上がる。よって後手がそれを阻止するなら△5四歩と突くことになる。5筋の歩を取らせた反動で、手を作ろうというのが先手の作戦」と解説の久保利明九段は語る。

 対する佐藤も駒組みを工夫する。△4二金は先手の駒組みに対応し、早い戦いを視野に入れたもの。指了図で菅井は端歩を受けなかった。深い理由があったのだ。(青)

写真・図版

 △5四歩24 ▲5八飛1 △4二金16 ▲7七銀22 △5五歩8 ▲6六銀  △8五歩 ▲7七角1 △4一玉 ▲4八玉1 △7四歩4 ▲3八玉25 △3二玉53 ▲2八玉13 △7三桂9 ▲5九飛4 △1四歩29

持時間各6時間

消費 ▲1時間10分 △2時間29分

関西振り飛車

 解説の久保九段と菅井は、久保が八段、菅井が初段の時代から研究会での交流がある。

 「菅井さんとはいろいろ形を…

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