第5回塾代を減らせと言われても…「聖域」の教育費、そびえる学歴社会

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榊原謙
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日本経済の現在値⑤教育「2533」
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 「公立か私立か」「塾はどうしよう」――。教育とそれにかかる費用は、子育て世代の悩みのたねだ。私立中学校が多い都市部では、中学受験をする家庭も多く、教育費の負担が昔よりも増えたとも聞く。2児の父である記者(40)も、子どもによりよい教育を受けさせたいと思ってはいるものの、いったいいくらぐらいかかるのだろうか。

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 まず、幼児教育から大学卒業まで、総額いくらかかるのかを調べてみた。高校までの教育費をまとめた文部科学省の「子供の学習費調査」(2018年度)と、高等教育の費用を集計した日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」(20年度)を使い、塾や習い事の費用も含む平均的な教育費の目安を計算した。

 すると、幼稚園から大学まで、すべて国公立の場合は最も少なく、子ども1人あたりの教育費は1078万円だった。中学から大学まで私立で、大学が文系学部なら1674万円、すべて私立なら2533万円に上る。私立の時期が長いほど、教育費も高くなる。

 私立が高い要因の一つが授業料だ。公立の小・中学校はかからないが、私立の小・中学校では共に年40万円以上かかり、この時期の学校教育費の4~5割を占める。私大の授業料は年平均91万円(19年度)に達し、国立大より7割高い。

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大学卒業までにかかる教育費

 塾や習い事などの「学校外活動費」の負担も重い。文科省によれば、公立中学に通う世帯では、教育費の63%が塾代を中心とした校外活動費に充てられ、特に高校受験がある中3の年には41万円に上る。私立小学に通う世帯は、中学受験がある小6の年の出費が際立ち、塾代などの校外活動費が86万円に達する。

教育費をめぐっては塾代などの費用も家庭に重い負担となっていますが、そうした費用を抑えることはできないのでしょうか? 探ってみると日本社会が置かれた現実が見えてきました。そうした実態を記事後半で紹介します。

 では、こうした教育費は昔よ…

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