中国外相「台湾問題、日本は一線越えるな」 慎重姿勢求め牽制

北京=高田正幸
[PR]

 中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は25日、日中の有識者が議論する「東京―北京フォーラム」(言論NPOなど主催)にビデオメッセージを寄せ、台湾問題をめぐり日本が「一線を越えることは許されない」などと語った。今月発足した岸田文雄政権を牽制(けんせい)した形だ。

 メッセージで王氏は、台湾問題について「重大で敏感な問題で、両国の政治的基盤に関わる」と強調。「台湾は中国の不可分の領土」とする中国の立場に日本が理解を示した両国間の政治文書の存在に触れて、「いかなる状況でも厳守すべきだ」と訴えた。

 人権問題をめぐっても「内政干渉の道具とすべきではない」と語った。

 菅義偉前政権は、今年4月の日米首脳共同声明で、52年ぶりに「台湾」に言及し、新疆ウイグル自治区の人権問題にも触れるなど、対中姿勢で米国と歩調を合わせていた。

 王氏は、気候変動問題やデジタル経済などの分野で日中の協力が可能だとも指摘。来年に控える日中国交正常化50周年に絡み、「両国は次の50年に向けたビジョンを切り開くべきだ」と語った。

 「東京―北京フォーラム」は日中の両会場をオンラインでつなぐ形式で開かれ、26日まで続く。(北京=高田正幸)