行政のデジタル化、なぜ遅い? 元官僚が見た三つのタイプ

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丹治翔
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 「行政のデジタル化」の司令塔を目指すデジタル庁が9月、発足しました。異例のスピード設置の背景にあったのは、コロナ禍で明らかになったデジタル行政の遅れ。昨年、特別定額給付金10万円を交付する際も、オンライン申請を中止する自治体が相次ぎ、役所ごとの取り組みの「格差」が明らかになりました。

 デジタル化をうまく進めるにはどうしたらいいのか。

 元官僚でシンクタンク「青山社中」筆頭代表の朝比奈一郎さんは、その鍵は「始動力」にあると語ります。

「わざわざ変えるのは面倒」

 ――朝比奈さんは通商産業省(現・経済産業省)の官僚を経て、2010年から青山社中で行政の政策づくりの支援や人材育成をしています。その立場から見て、自治体のデジタル化が進んでいない背景には何があると思いますか。

 デジタル化が進んでいない自治体には、段階があります。

 (1)思考停止になっていてほぼ進んでいない

 (2)意識は高いが、組織全体の取り組みになっていない

 (3)オンライン化は進んでいるが仕事そのものの変化までには至っていない

 大きく分けると、その三つです。

 (1)(2)の自治体については、コロナ前までデジタル化が進んでいなくても困っていなかったんですよ。既存の住民サービスなどはだいたい運用が確立されており、むしろ今までのやり方を変えることで発生するコストの方が大きい。「わざわざ変えるのは面倒くさい」という判断になるわけです。

IT革命のころに……

 過去の「苦い経験」も影響しています。

 デジタル化について言えば…

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