防カメ、DNA型「証明力に限界」 男性に無罪判決 取り調べも批判

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 店舗車庫でコルクボードなどに火を燃え移らせて壊したとして、器物損壊罪に問われた名古屋市の男性(49)に対する判決が25日、名古屋地裁であった。辛島明裁判長は「男性が犯人と認めるには合理的な疑いが残る」として無罪(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。

 男性の起訴内容は昨年3月、名古屋市西区の厨房(ちゅうぼう)機器販売店車庫で、紙にライターで火をつけて、コルクボードやイーゼルに燃え移らせ、壊したというもの。

 検察側は、防犯カメラに男性とみられる人物が映り、現場にあったペットボトルから検出されたつばのDNA型が男性のものと矛盾しないと主張。だが辛島裁判長は、映像は人相が不明で、つばのDNAは本人以外のものも混じった「混合DNA型」だったなどとし、「証明力に限界がある」とした。また、警察官が取り調べ中、ペットボトルから男性のDNA型が出たと繰り返し伝えたことは、「不正確な評価を告げており、虚偽の自白を誘発させる危険性が高い」と捜査手法を批判。事件前後の足取りに関する男性の供述と、カメラ映像が一致しないなどとも指摘し、無罪とした。

 判決後、男性の弁護人の小野田弦起弁護士は「決めつけによる方針でストーリーが後付けされるような捜査が行われており、問題だ」と話した。名古屋地検の金山陽一次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。