岐阜の不明男児発見 山の愛好家らが捜索 「山に恩返しできた」

深津弘
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 岐阜市の百々ケ峰(どどがみね)(417メートル)に祖父(78)と登山に来て行方不明になった市内の男児(6)は、約7時間後の24日午後9時すぎに山中で無事発見された。岐阜北署によると、男児に目立ったけがはない。見つけたのは、この山を知り尽くす登山愛好家たちだった。

 発見した一人で、市内の会社役員伏見五男さん(73)が25日、朝日新聞の取材に当時の状況を語った。

 伏見さんは6年前から毎週、日の出を見るために百々ケ峰に登り、24日早朝も訪れた。帰宅後に行方不明のニュースを聞き、百々ケ峰でいつも一緒になる登山者と連絡を取り合い、捜索することにした。「自分たちのホームグラウンドだし、孫を見失った祖父の気持ちを思うと、ほっておけなかった」

 午後7時半に登山口の駐車場に同年代の5人が集まった。毎日通い、鳥の巣がどこにあるかなど、山の中を知り尽くす人もいるという。居合わせた大学生1人も加わった。

 警察や消防団とは別のルートから入山。やぶを手でかき分けて進み、名前を呼び続けると、「うん」「はい」という声が聞こえた。登山道から外れた斜面の倒木に横たわる男児がいた。「寒い、寒い」と言うのでダウンジャケットをかけ、塩水を飲ませると元気を取り戻したという。

 「長期戦も想定したが、見つかってよかった。男児がいた斜面のすぐ下は谷なので危険だった。斜面から動かなかったことがよかった」とみる。発見後、涙を流す登山仲間もおり、「これで百々ケ峰にお返しができたよね」と、みんなで喜んだという。(深津弘)