「小泉大臣」も近づいたフジロック 3大フェス興隆とコロナ下の模索

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大鹿靖明
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 環境省がフジロックフェスティバルに関心を寄せたのは、コロナ禍前の2019年11月のことだった。自民党小泉進次郎が環境相に入閣して間もないころである。

 夏フェスの代表的存在のフジロックには内外の音楽家が出演し、毎年十数万人が来場する。何度も訪れたという同省の女性職員が仲介し、主催者のスマッシュにメールで打診。6人の職員が翌月訪れ、こう言った。「地球温暖化防止で、何かご一緒できませんか」。スマッシュ取締役の石飛智紹(ともあき)が驚いたのは、彼らの名刺にはすでに「環境省フジロック担当」とあったことだ。石飛は「勝手に使って」と苦笑しつつ、「これは本気だ」と驚いた。

 後に小泉は記者会見で「音楽イベントと連携しながら気候変動や環境に関心をもってもらう」と狙いを語り、「職員に10年以上もフジロックに行っている人がいる」と打ち明けた。環境省との協議案には「小泉のフジロック登壇」もあったが、さすがに露骨な人気取り策に映ると退けられ、最終的に同省が後援することで落ち着いた。

フジロック、サマーソニック、ロック・イン・ジャパン……巨大化した3大音楽フェスの生い立ちとパワーを辿りながら、コロナ禍の苦境と再開への模索を追います。(敬称略)

「大臣のフジロック登壇」

 フジロックはプロモーターの…

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    朽木誠一郎
    (朝日新聞記者=医療、ネット)
    2021年11月11日12時14分 投稿
    【視点】

    未曾有の災害とも言えるコロナ禍において、文化を廃れさせないためにどうしたらいいかが問われています。“ロッキング・オンは10月、冬フェスの代表カウントダウン・ジャパンを再開すると発表した。「生き残りを模索しながら、この状況下で戦っています」。

    …続きを読む