スーダンでクーデター、軍がハムドク首相を拘束 首都路上には兵士

ヨハネスブルク=遠藤雄司
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 スーダン暫定政権のハムドク首相が25日、軍によって自宅軟禁された後、兵士らに連れさられたと同国の文化・情報省がフェイスブックで明らかにした。ロイター通信によると、軍出身で暫定政権トップのブルハン統治評議会議長は暫定政権を解散し、非常事態を宣言した。民政移管を目指し軍民が共存してきた政権がクーデターで崩壊した。

 同省やロイター通信などによると、25日朝、兵士らがハムドク氏の自宅を包囲し軟禁した。ハムドク氏にクーデターを支持する声明を出すよう求めたが拒否されたため、拘束していずれかへ連れ去ったという。軍は閣僚を含む文民の政府関係者も複数拘束。ラジオ局やテレビ局を襲撃し、従業員を逮捕した。首都ハルツームの路上には兵士が配備され、橋も封鎖されたという。

 教職員などで構成され、同国の民主化を後押ししてきたスーダン専門職者協会はフェイスブックで、「街頭に出て完全に占拠するよう訴える」などと、路上で軍事クーデターに抗議するよう国民に呼びかけた。

 同国では9月、バシル前政権を支持する一部軍人らによるクーデター未遂が起きたほか、今月半ばからは軍による統治を求めるデモと、民主化を求めるデモが同時に起き、暫定政権内でも軍民間の緊張が高まっていた。ハムドク氏は今月24日、米国の特使と面会し、政治的な緊張の解決や民政移管について話し合ったばかりだった。

 スーダンでは2018年12月、パンの価格高騰をきっかけにバシル前政権への抗議活動が活発化。翌19年4月、軍の一部がクーデターを起こし、バシル政権が崩壊した。同年8月に軍部と市民による合同の暫定政権が立ち上がり、事実上のトップである統治評議会議長に軍出身のブルハン氏が、首相に文民のハムドク氏がそれぞれ就任することで権力を分け合い、23年の民政移管を目指していた。(ヨハネスブルク=遠藤雄司