「日常に一歩、近づいてくれれば」飲食店に久々の活気 時短解除

有料会員記事新型コロナウイルス

遠藤隆史藤野隆晃 黒田早織、荻原千明
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 新型コロナウイルスの新規感染者数が全国的に減少する中、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪の5都府県で25日、飲食店への営業時間の短縮要請が解除された。街では歓迎の声があがる一方で、「第6波」への警戒感も根強い。日常への回帰は進むのか――。

新橋・アメ横にぎわう声「たくさん我慢したから」

 時短要請の解除は11カ月ぶりとなる東京。街に久々のにぎわいが戻った。

 JR新橋駅近くの居酒屋「根室食堂 新橋店」。千葉市の会社員男性(52)は、交際中の女性(50)と午後6時ごろに来店した。居酒屋での飲食は1年半ぶりだという。「ずっと2人で宅飲みだったけど、思い切って新橋まで来ました」。職場では感染に十分注意するよう言われ、同僚との飲み会も久しくなかった。私生活でも人混みを避け、手洗いやうがいをこまめにしたが、今年8月、コロナに感染。重い症状はなかったが、38度近い熱が続き、2週間ほど自宅療養に。買い物は全てネットスーパーを使って済ませた。

 その後、積極的に外で飲み歩こうとは思わなくなった。それでも、「今までたくさん我慢したから」とこの日は居酒屋まで来た。3週間ほど間隔をあけ、感染者数の推移も見てから次の来店を決めるつもりだ。

 都内で働く千葉県の男性(43)は会社の同僚と3人で居酒屋に。これまでは店が閉まる午後9時には解散していたが、この日は午後6時から飲み始め、午後8時ごろに2軒目へ。「色んな店が遅くまで開いていてうれしい」と上機嫌にグラスの酒を飲み干した。

 東京・上野のアメ横商店街も夕方、ガード下に軒を連ねる飲食店でジョッキ片手に談笑する人がいた。立ち飲み店「おでん 田楽」店長の池貝慶彦さん(42)は「これで日常に一歩、近づいてくれるといいんだけどね」とつぶやいた。

 ただ、客足が読めず、昨年11月に時短営業を求められたときは、従業員4人で平日は営業していたが、この日は池貝さんともう一人の従業員で応対した。おでんの仕込みも通常の3分の1程度に抑えた。時短要請解除後も当面は午後9時までの営業予定で、様子を見ながら営業時間を延ばす考えだ。「このままおでんの時季を迎えられれば」

感染者からは懸念「大きなリバウンド心配」

 大根をつまんでいた埼玉県飯能市の女子大学生(21)は、「時短要請解除後も、行動は特に変わらないかな」。約2カ月前、母親がコロナに感染した。大人数が集まる飲み会には参加するつもりはないという。この日もこの店での食事後、帰宅予定だ。「まだまだ気をつけないと」

 コロナに感染した人からは懸念も。東京都中野区の自営業女性(36)は、妊娠5カ月だった今年8月、長女とともに感染し、自宅療養を経験した。いまも嗅覚(きゅうかく)が完全には戻っていないという。

 飲食店の時短営業が解除されること自体は歓迎したいが、今月、緊急事態宣言の解除後、路上でビール缶が転がっているのを見ると、「羽目を外す人たちが増えているのでは」と感じる。どれだけ注意しても感染を完全に防ぐことは難しいが、「今後ハロウィーンクリスマスなどイベントもある。緩みすぎて大きなリバウンドが起きないか心配」と話した。遠藤隆史藤野隆晃

テイクアウト」で明暗 伸び悩む居酒屋やパブ

 長期化する新型コロナウイルス禍により、深刻な影響を受けた外食産業。東京や大阪など7都府県に初めて「緊急事態宣言」が出された昨年4月以降、多くの店が時短営業や休業を余儀なくされた。その影響の大きさは、「テイクアウト」で分かれた。

 日本フードサービス協会が加…

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