オリックス有終 優勝争うロッテに、監督「負けてくれとは思わない」

佐藤祐生
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 (25日、プロ野球 オリックス・バファローズ4―0東北楽天ゴールデンイーグルス)

 優勝のためには絶対に負けられない最終戦。思いを託されたオリックスのエースが、球団新記録の15連勝で有終の美を飾った。

 楽天の先発は東京五輪でともに日本を背負った田中将大山本由伸は投げ合えるワクワクと、負けられないドキドキで高鳴る鼓動を抑えながら、マウンドに上がった。

 「とにかく試合に勝つ」。その一心で腕を振った。155キロの直球で打者に差し込み、変化球で泳がせ、三塁を踏ませなかった。一球、一球から絶対に譲らないという気迫が伝わってきた。

 今季は初めて開幕投手を務めたが、「とても悔しい」黒星で始まった。調子が落ち込む時期もあったが、5月28日からは無敗を続けた。

 落とせぬ一戦を開幕戦ではミスを連発していた遊撃手、紅林弘太郎の好守にも助けられ、4安打完封。48年ぶりに球団の個人投手の連勝記録を塗り替える最高の形で最後を締めた。防御率は圧巻の1・39。「頼りになる先輩方がたくさんいるので、僕はしっかり、思い切ってやることを心がけられたシーズンだった」

 優勝を争うロッテは残り3試合。一戦でも落とすと優勝を逃す、という大きな重圧を与える1勝をもぎ取った。中嶋聡監督は「選手たちは本当に頑張った。(ロッテに)負けてくれとは思わない。良い勝負ができたなとだけ思います」。

 人事は尽くした。あとは天命を待つだけだ。(佐藤祐生)

Vの行方は……

 プロ野球パ・リーグは25日、首位ロッテがソフトバンクに敗れ、2位オリックスが楽天に勝って首位に浮上した。ロッテの優勝マジック3は変わらず。オリックスは70勝55敗18分け(勝率5割6分)でレギュラーシーズンを終え、ロッテの結果を待つ。27日にロッテが楽天に敗れれば、オリックスの25年ぶりのリーグ優勝が決まる。残り3試合で2勝1分け以上なら、ロッテが優勝となる。

       ◇

 オリックスが鮮やかな2ランスクイズでダメ押し点を奪った。2点リードの九回1死二、三塁。カウント3―1から、安達が三前に転がした。三塁走者の佐野皓に続き、二塁走者の後藤も一気に本塁へ。一塁から捕手への送球がわずかにそれる間に滑り込んだ。中嶋監督は「大事な場面でしっかり決められるのは非常にいい」としてやったりだった。

 オリックスの紅林が先制の適時打を放った。楽天の先発は田中将。五回2死二塁、2ストライクに追い込まれ、「何とか食らいついていこう」。泳がされながらも低めの変化球をバットの先に当て、左前に運んだ。「優勝争いよりも、僕は自分のことで精いっぱい」と話していた高卒2年目の19歳。「残り1試合を1点でも奪って勝ちたい」という執念が一打となって表れた。

 中嶋監督(オ) 最終戦を勝利で終える。「誰もが苦しかったと思う。打てない、体が動かない、が起こってくる中で、本当に頑張った」

 紅林(オ) 2安打2打点。「すごい緊張感でなかなか安打も出ない試合で、いいところに飛んでくれた。食らいついていった結果です」

 ▼山本(オ)が球団の個人投手の連勝記録を更新 25日の楽天戦で15連勝。これまでの球団記録は阪急時代の1973年に米田哲也が達成した14連勝だった。