文化勲章の尾上菊五郎さん「いつまでも、もてたい」 先輩に思いはせ

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編集委員・藤谷浩二
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 歌舞伎俳優の尾上菊五郎さん(79)が今年の文化勲章に選ばれた。東京・歌舞伎座「十月大歌舞伎」に出演中の菊五郎さんは会見で、かつて教えを受けた多くの先輩たちに思いをはせ、喜びを語った。長い伝統の連なりの中で芸を受け継いできたという感慨がのぞく言葉であり、姿だった。

 菊五郎さんは「このような栄えある勲章をいただけるのも、不器用な私に時代物、世話物、舞踊と、懇切丁寧にご指導を賜ったおじさんたち、父や兄さん方のおかげと、感謝の気持ちでいっぱいです」とあいさつ。「この後も役者の道はまだまだ続きますが、歌舞伎の持つ独特な形式美、色気、艶(つや)、愛敬、また江戸っ子気質を研究して、お客様に楽しんでいただける役者になりたいと思っています」と抱負を述べた。

 文化庁から受章の知らせを受けたとき、先輩たちの顔がフラッシュバックのように浮かんだという。「『お前にはまだ早いよ』『こっちによこせよ』と言われそうで。私ほど先輩に教えを受け、可愛がられた役者はいないと思っています」。具体的な名を問われると、戦後の歌舞伎を彩った名優や尾上菊五郎劇団の先人を次々と挙げた。

 大切にしてきた教えは、父の七代目尾上梅幸の「基礎をしっかりしておけ」という言葉だ。「『基礎だけしっかりしておけば、建物はいくらでも建て替えられるんだから』と言われまして。私も後輩にそう教えています」

 「最近の若手は本当にしっか…

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