選挙は複雑な民意生かせない 民主主義実現したいなら 成田悠輔さん

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聞き手・高久潤
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 選挙は民主主義の根幹だから、投票に行くのは正しい。異論の余地がなさそうな「正論」ですが、心のどこかでこんな声を言っていませんか。選べ、といわれても――。米エール大学助教授の成田悠輔さんは、現在の選挙の仕方では、民主主義は実現できない、と言います。衆院選の議論の仕方もおかしい、と。どういうことなのでしょう。

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 今の選挙を見て「選べといわれても」と感じるのは、至極もっともだと感じます。政策論点は無数にあり、各論点に対する有権者や政治家の思いや知識は様々です。それを全部まとめて、数年に一度の選挙で特定の政治家や政党に託してくれという発想が、時代遅れだと思います。

 これは民主主義の否定ではありません。むしろ「たった1票をどれか一つの候補に」という硬直した仕組みが、複雑な民意をくみ取ることを難しくしているのです。

 社会には、当事者にとってとても切実な問題がたくさんあります。選択的夫婦別姓やマイノリティーの人権保障などが典型ですが、「多数派」の壁に阻まれて実現できていません。例えば性的少数者の問題に対して切実さもなければ深い知識もない、多数派の人々のふんわりとした1票で決めることが「民意の反映」だと言ってよいのでしょうか。僕はそう思いません。

政治は当事者の切実な問題にこたえず、社会は人口がどんどん減って「1億総貧困社会」に向かっていく――。記事の後半では、そんな危機的状況の日本で、政治に民意を反映していく方法について、成田さんが語ります。

 そして、国政選挙で議論すべ…

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