「まだまだ勝手に関西遺産」
♪大きなりっぱな古ピアノ 山本さんのピアノ 200年前から生きてきた ごじまんのピアノさ~
「大きな古時計」は動かなくなってしまったが、今も元気に動く長老ピアノが大阪は堺市に集う。ピアノの原型は1700年ごろにイタリアのクリストーフォリが発明したとされ、黎明(れいめい)期の古いピアノは「フォルテピアノ」と呼ばれる。その貴重なコレクションを一目見ようと、「スペース クリストーフォリ堺」を訪ねた。
扉を開けると、フォルテピアノ修復家の山本宣夫(のぶお)さん(73)が迎えてくれた。瀕死(ひんし)の長老ピアノに命を吹き込んできた「お医者さん」だ。
木がふんだんに使われた、温かみのある空間に「ヤマモトコレクション」のピアノが所狭しと並ぶ。シューベルトやショパンなどそうそうたる作曲家たちが生きた、19世紀のフォルテピアノが中心だ。
「これはベートーベンが晩年愛したピアノと同じ型です」。1816年製で、現代のピアノより一回り小さい。弾かせてもらうと、万華鏡のようなギラギラ光る音がした。
鍵盤を押しても半分くらいし…