カーボンプライシングで脱炭素推進を 首相に有識者会議が報告書

川田俊男
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 気候変動対策について議論してきた首相官邸の有識者会議(座長・伊藤元重学習院大教授)が26日、2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロとする目標達成に向けた考え方をまとめ、報告書を岸田文雄首相に手渡した。専門家の意見を聴いて科学に基づく政策をつくることや、炭素排出に値段をつけるカーボンプライシング(CP)の活用などを盛り込んだ。

 有識者会議は菅義偉前首相の肝いりで3月に始まり、専門家や経済界の代表者らが議論してきた。

 報告書では、政府から独立した立場で科学的な分析などをしている英国を参考に、「科学者や有識者の知見を活用し、継続的に政策に反映していくことを期待したい」と注文した。

 排出量の削減を進める具体策の一つとして、企業の排出量に応じて課税する炭素税や、企業ごとに排出量の上限を定めて削減を義務付ける排出量取引制度といったCPをうまく活用することを挙げた。

 特に炭素税については、税収を脱炭素社会に移行していくための財源にできると指摘したうえで、企業に事業内容の変革や技術革新を促すための仕掛けの具体化を求めた。政府はCPについて年内に一定の方向性を示すとしている。(川田俊男)

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