空飛ぶバイク、来年前半にも手に入る? 走行公開、当面は私有地のみ

神山純一、高木真也
【動画】「A.L.I. Technologies」が開発した空飛ぶバイク=神山純一撮影
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 ドローン(小型無人機)を手がけるベンチャー企業が26日午後、バイク型の浮く乗り物「ホバーバイク」の走行を公開した。サーキット場の富士スピードウェイ静岡県小山町)で、ライダー1人が乗った機体が地面から浮き上がり、約2分空中を進んだ。高いときには約3メートルに達した。

 1台7770万円(税込み)で受注を始め来年前半にも引き渡すという。規制があるため、いまのところ公道での走行はできない。

 「A.L.I. Technologies」(東京)が2017年から開発していた。機体名は「XTURISMO(エックスツーリスモ)」で全長3・7メートル、幅2・4メートル、高さ1・5メートルで重量は約300キロ。エンジンとモーターが動力で前後に2枚あるプロペラで浮きあがる。両サイドに計4枚の補助プロペラがあり、機体の傾きなどを調整しながら飛ぶ。

 ハンドルでの操作のほか、自動操縦などにも対応する。給油と充電で最大40分走行できるという。

 基本構造はドローンと同じだが、体重や姿勢の変化に対応すべく試験を繰り返した。通常のドローンよりも浮力を大きくするため独自のプロペラを設計した。

 将来は高く浮かんでの運行もめざす。片野大輔社長(36)は「エアモビリティーの進化はどんどん進んでいくはず。道路を走り空にも羽ばたいていける乗り物にしたい」と意気込む。

 現状では公道は走行できず、乗れるのは私有地などに限られる。同社は機体の安全性を高め、25年から道路上を浮いて走行できるように国土交通省などと協議したい考えだ。

 国交省によると、公道を走る場合は道路運送車両法で定めた自動車として認められる必要がある。担当者は「まずは公道以外の場所で実績を積み、安全性や、災害の救助などで世の中の役に立つ乗り物だと社会的に認識してもらう必要がある」と話す。社会的に導入の機運が高まった上で、駐車方法や騒音対策といったルール策定を検討することになるという。

 航空機として使う場合は、国際的な取り決めで少なくとも地上から150メートル以上の高度を維持しなければいけない。試験などで安全性を確認し、機体の型式認証を受けるなどの必要もある。別の担当者は「安全性や実績が世界的に証明されれば、新たなルールづくりが検討される可能性はある」というが、実現のめどは立っていない。(神山純一、高木真也)