第17回選挙は1人1票、意思表示に十分か 問題解決に「公共訴訟」のススメ

有料会員記事2021衆院選

聞き手・富田洸平
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 衆院選では、これまで争点にされにくかった選択的夫婦別姓同性婚の実現なども公約に掲げられている。とはいえ、投票での「1票」は、こうした政策の実現に向けた十分な意思表示になるのか。社会問題の解決を目指す「公共訴訟」への支援を募るサイトを立ち上げ活動している谷口太規弁護士に聞いた。

当事者が少ない課題、争点になりにくい

 ――衆院選での主な争点はコロナ対策や経済対策です。選択的夫婦別姓や同性婚などは公約に掲げる政党はあるものの、取り上げられる機会が少なく感じます。なぜでしょう。

 「より多くの票を得た1人が当選するという小選挙区制では、多くの人の関心を集めるであろう最大公約数的な争点が強調されます。重要だけれど、当事者が少ないという課題はどうしても主な争点になりにくいのです」

 ――当事者が少ない課題でも解決を期待して1票を投じる人はいると思います。選挙は十分な意思表示になっているのでしょうか?

 「1人1票しかありませんから、争点ごとに支持する候補者を選ぶことはできません。たとえある課題の解決のために、1人の候補者を選んだとしても、どの政策に賛同して投票したかは、候補者や周囲には分かりません。十分な意思表示になっているかと言えば、限界があります」

 「選挙権の問題もあります。大学の入学金や学校の校則の強制といった課題を解決したくても18歳未満には選挙権がないので、親など別の人が考えるしかない。また、日本には多くの外国人住民がいるのに日本国籍がないと投票できません。その人たちが解決したいと考える課題はそもそも選挙に反映されづらいと考えています」

総選挙が迫るなか、いま私たちが考えるべきことは何か。有権者として何を問われているのか。寄稿やインタビューを通して考える連載です。谷口太規さんは、社会を変える手段として、訴訟が近道の場合もあるといいます。記事後半で解説します。

 ――そうなると、こうした課題の解決のためには選挙は意味がないのでしょうか?

 「そうは思いません。人々が…

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