大使追放は見送りか、トルコ大統領が方針転換 欧米など10カ国

高野裕介
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 トルコのエルドアン大統領が同国に駐在する欧米など10カ国の大使の国外退去を示唆した問題で、同大統領は25日、処分を見送る方針を示した。北大西洋条約機構(NATO)の同盟国や主要貿易国との決定的な亀裂は、ひとまず回避されることになった。

 エルドアン氏は23日、拘束されているトルコ人実業家の釈放を訴えた米国やドイツニュージーランドフィンランドなど10カ国の駐トルコ大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外退去にする可能性を示唆していた。金融政策などをめぐり下落が続いていた通貨リラは、この事態を受けてさらに深刻化した。

 そうしたなか、米大使館などは25日、内政への不干渉を定めたウィーン条約を順守する意向を示した。アナトリア通信などによると、エルドアン氏はこれらを歓迎。国外退去については見送ることにしたとみられる。

 拘束されている実業家で慈善家のオスマン・カワラ氏は、2013年に起きた大規模デモや16年のクーデター未遂事件に関与したとして、裁判での有罪判決が確定しないまま17年から拘束されている。欧州人権裁判所は19年、カワラ氏の釈放を要求。欧米はその実行を呼びかけてきた。(高野裕介)