農業「素人」の若者 新鮮野菜を収穫 羽生の農業団地
今夏から埼玉県羽生市の農業団地で農産物の実証栽培に取り組む建設用仮設資材メーカー「タカミヤ」(本社・大阪市)が、自社製の最新ハウスで育ったキュウリを出荷している。栽培を担う農業未経験の若手社員らは作物の成長、収穫の日々をSNSで発信している。
同社は「タカミヤの愛菜(あいさい)」を設立して現在、約3万平方メートルの農場に9連棟のハウス(計約3千平方メートル)を建て、キュウリ、ミニトマト、イチゴを栽培。うち8月に定植したキュウリが収穫期を迎えた。同じ農業団地で観光農園を運営する地元スーパー「ケンゾー」に出荷、9月から店頭に並ぶ。朝採り直送の新鮮さで売れ行きも上々だそうだ。
そんな滑り出し好調の農場を切り盛りするのは大阪府出身の吉田剛場長(54)と矢森貴之さん(27)、飯能市出身の沼崎太郎さん(25)の3人。栽培を担当する20代の2人は大学の農学部で学んだが、実践的な農業は実習程度だった。そのため1年間、加須市内の農家に弟子入りし、知識と技術の習得に努めた。
まだまだ若葉マーク。作物がすくすく育つのは最適な生育環境を実現するIT(人工知能)、IoT(モノのインターネット)技術の支えがあってのこと。それでも開花、結実、収穫の感動や喜びがある。「素人」だからこそ、そのインパクトは大きいという。
そうした日々をSNSで発信している。フォロワーや見学者も増え始めた。矢森さんと沼崎さんは「農業に関心のある人、特に若い人に見てもらえたらうれしい」と話している。「愛菜」のウェブサイト(https://www.takamiya-aisai.jp/)からアクセスできる。(猪瀬明博)
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