サウジ皇太子主導の国際投資会議が開幕 貧困国への人道的投資を訴え

リヤド=伊藤喜之
[PR]

 サウジアラビアで実質的に国政を取り仕切るムハンマド皇太子の主導で、毎年開かれている国際投資会議「未来投資イニシアチブ」が26日、首都リヤドで始まった。今年は「人類への投資」がテーマで、貧困国への人道的な投資などを訴えた。人権外交を重視し、皇太子と距離を置くバイデン米政権を意識しているとの見方がある。皇太子は過去、トランプ米政権と蜜月関係にあった。

 会議を運営する未来投資イニシアチブ機構のリチャード・アチアス最高経営責任者は、アフリカ諸国の新型コロナワクチンの接種率が極端に低い現状を指摘。「我々は寛容で、包摂的でなければいけない」と述べ、人道的な投資の必要性を強調した。

 サウジでは2018年、サウジ人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件で皇太子が関与した疑惑が浮上し、対外的な信用を失った。事件後、同会議への参加を見送る海外主要企業が相次いだ。昨年は、新型コロナで国内参加に限ったが、今年は2年ぶりに海外からの参加者を受け入れた。人数は制限するものの、28日までの3日間で約5千人が参加する見通しだ。

 世界有数の産油国であるサウジは、世界的な脱炭素の流れを受けて、石油に依存しない経済戦略を進めている。石油に代わる大型プロジェクトとして、首都リヤドや西部の人工都市ネオムなどで大型都市開発を進めている。国際会議の機会を活用して海外企業を誘致したい思惑もある。(リヤド=伊藤喜之)