早慶戦で逆転優勝と三冠王に挑む早稲田の新4番 飛躍の陰に友の存在

有料会員記事

編集委員・安藤嘉浩
[PR]

 東京六大学野球の秋季リーグは30、31日、優勝をかけた早慶戦が開催される。早大の今井脩斗(しゅうと)内野手(4年、早大本庄)は逆転優勝と三冠王に挑む。ここまで打率5割7分7厘(26打数15安打)、3本塁打、14打点。打撃3部門でリーグトップに立っている。

 今井は早大が連敗した第1週の立大戦では、ベンチに入っていなかった。それが2カード目の東大1回戦で8番・一塁手として先発出場すると、いきなり本塁打を含む5安打、7打点と大暴れした。

 「早大野球部として看過できないことがあった」。試合後の記者会見で、小宮山悟監督が立大戦で起用しなかった理由を明かした。周囲の話を総合すると、苦手な守備の練習に取り組む姿勢が悪かったようだ。

 今井を救ったのは丸山壮史主将(4年、広陵)だった。「もう一度チャンスを与えて下さい」と小宮山監督に直訴してくれたのだ。「丸山の思いを受け止めた」という監督は、「打てなかったら承知しないぞ」と今井を送り出した。

 今井が大活躍した東大戦から、早大は息を吹き返す。立大に2連敗した後、4勝2引き分け。16日の明大1回戦では今井が初めて4番に座り、逆転勝利の立役者になった。4点を追う四、六回に2打席連続本塁打。八回にも適時打を放つと、九回は4―5と1点差に詰めより、なお2死一、二塁で右打席へ。右翼手の頭上を越える逆転二塁打を放ったのだ。

 本塁打はともに、明大のエース竹田祐(4年、履正社)のカーブを狙い打った。「1本目は直前に、投手が何度も首を振った。ああ、カーブを投げたいんだな、と思った。2本目も同じ球を狙った」

 八回のタイムリーは低めに落ちるフォークを左前へ。「2球前にフォークを空振りした。すごい落ちたから。勝負球はこれだと思い、払うイメージでいたので、ボール球でも対応できた」

 決勝打は高めに浮いてきたスライダー。「逆らわずに打てた。あれが一番うれしかった」。ベンチや左翼席の応援団が大喜びしている様子を二塁塁上から見て、「言葉にならないぐらいうれしかった」と言う。

 「バットを持たせたらプロレベル」と小宮山監督も認める才能が、ラストシーズンで大きく花開いたのには理由がある。

 2年秋に代打で4度出場した今井だが、3年になった昨年は故障もあって、1度も試合に出ていない。

 「後れをとっている」と焦っ…

この記事は有料会員記事です。残り1074文字有料会員になると続きをお読みいただけます。