期待とバッシングのなか…女たちは書いてきた 投稿欄ひととき70年

有料会員記事

写真・図版
10月2日に開かれた「ひととき」70周年イベントのトークショ-。左から東京大学大学院教授の林香里さん、作家の桐野夏生さん、Change.org Japanの武村若葉さんが登壇した=東京都中央区
[PR]

 朝日新聞の女性投稿欄「ひととき」70周年を記念したイベント「くらしを書く、書いて生きる」が、10月2日に東京・築地で開かれました。東京大学大学院教授の林香里さん、オンライン署名サイト「Change.org Japan」カントリー・ディレクターの武村若葉さん、作家・桐野夏生さんの3人が、「書く」ことについて語り合いました。

イベントの模様、11月20日まで配信中

イベント当日の様子を、11月20日まで動画配信しています(無料、要会員登録)。詳細、申し込みはこちらから。

ひとときの歩みとは 東京大学大学院教授・林香里さん

トークショーに先立ち、林香里さんから、ひとときの歴史、経緯について解説がありました。

 ひとときは、1951年の10月2日に誕生しました。第1号はプロの作家の寄稿でしたが、翌52年4月ごろから一般女性の投稿だけで作る欄になり、その年の10月からは、毎日掲載されるようになります。

写真・図版
はやし・かおり 1963年生まれ。専門はメディア・ジャーナリズム研究。著書に「〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム」など。4月から東京大学理事・副学長も務める=伊ケ崎忍撮影

 創設者の影山三郎(当時の学芸部デスク)は、ひとときには四つの利用の仕方があったと言っています。ひとときで問題提起されたことを記者が調査する▽1人の考えに対する反対意見も掲載して議論を展開する▽読者の疑問に答えて各方面の意見を聞く▽投稿者にルポルタージュをしてもらう――というものです。

 新聞の編集局と読者をつなぐ試みで、今でこそ簡単なように思いますが、当時は画期的でした。哲学者の鶴見俊輔など、一部の学者はかなり好意的で、ジャーナリズム再生の望みをかけたり、日本の民主主義の希望として光を当てたりする論調がありました。「草の実会」など投稿者同士の集まりもでき、さらにそこからミニコミ誌が全国に誕生していきました。

 ただ、当時の新聞社は、立ち…

この記事は有料会員記事です。残り1947文字有料会員になると続きをお読みいただけます。