「過失考えられない」 証拠データ破損、弁護側が警視庁警察官告発 

新屋絵理
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 薬物事件の証拠品となるDVD内の動画データが破損していた問題で、覚醒剤取締法違反の罪に問われた男の弁護側が27日、警視庁愛宕署の署員を証拠隠滅容疑で東京地検に告発した。弁護団は「映像には警察に不利な場面があったはずだ。過失で破損したとは考えられない」と主張し、男の公訴(起訴)取り消しも地検に求めた。

 破損していたのは、警察側が男を確保した2020年1月8日の映像。検察側は東京地裁での公判前整理手続きで、破損データの解析結果として、書き込みを可能にする「フォーマット」が行われた痕跡が見つかったと説明した。

 弁護側は告発状で、フォーマットはデータの初期化を意味し、データがすべて消去される行為と指摘。確保時の男や警察官の行動で警察側と言い分が異なることなどから、警察側に不都合な場面が映っていた可能性があるとした。ただ、検察側は、確保場面は撮影していないと主張している。

警部補は「記憶にない」、「推測するに上司か本職」

 署員は所属署長に宛てた捜査報告書で、データ書き込みは「記憶にない」としつつ「業務日誌から推測すると書き込みは上司か本職の可能性が高い」などと説明。この報告書は証拠として、検察側が弁護側に開示している。

 弁護側は、検察側が映像データを証拠開示するまで長期間かかり公判が始まらなかったため、接見禁止が長引いた点も「被告への重大な権利侵害だ」と批判している。男の初公判は11月1日の予定。(新屋絵理)