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コロナ接触アプリCOCOA、会計検査院が改善要求

後藤遼太
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 新型コロナウイルス感染者との接触を知らせるスマートフォンのアプリ「COCOA(ココア)」で今年2月に不具合が見つかった問題で、会計検査院は27日、開発や保守を担った厚生労働省の当時の対応が不適切だったとして、同省に改善を求めた。委託先への指示が不明確だったことが、不具合の発生や長期間の放置につながったと指摘した。

 COCOAは昨年9月末にアップデートされて以降、アンドロイド端末で陽性者と接触しても通知が届かない不具合が発生。11月には、プログラムを公開していたサイトに不具合の指摘があったが対応しなかった。同省は4月に検証報告を公表。「適切なテスト実施や外部からの指摘への対応があれば、長期間不具合を見逃す事態は発生しなかった」と結論づけていた。

 この検証などを踏まえ、検査院が「パーソルプロセス&テクノロジー」(東京)に業務委託した際の仕様書などを調べたところ、業者側にテストを実施させるために定めるべき対象項目や実施内容などの具体的な記述が一切なかった。

 外部からの指摘への対応方法については、「緊急度が高い指摘は速やかに報告する」と口頭で業者側に伝えただけで、具体的な内容や報告手順を明確に指示せず、仕様書にも記載していなかった。検査院は「発覚の端緒となり得たのに、長期間不具合を認識できなかった」と指摘した。

 検査院によると、開発や保守運用にかかった費用は約3億8千万円。検査院は不具合の修理費の負担先も調べた。契約では修理費の負担は業者側となっていたが、業者側が通常の運用保守業務と修理業務の作業内容を区別していなかったため、業者側が修理費を負担しているか確認できない状態だった。検査院は「適切な資料に基づいて検証していない」と指摘した。

 同省は「国は余分な修理費は払っていない。他の指摘については、適切に対応する」と答えた。(後藤遼太)