米中対立、緊張続く東アジア 日本の外交・安保が進むべき道は

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聞き手・小村田義之
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外交・安全保障の進路
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 日本の外交・安全保障の行方が見通しにくくなっている。米中対立のはざまで、どんな手を打てばいいのか。台湾海峡や朝鮮半島が発火点となる可能性は、どの程度あるのか。今ほど冷静な判断が求められる時はない。2人の専門家の見方を聞いた。(聞き手・小村田義之)

対中国、共存と競争を 石井正文さん(元外務省国際法局長)

 ――総選挙で自民党防衛費の倍増をめざすとの公約を掲げました。現実的でしょうか。

 「確かに予算の制約はあります。ただ、米中対立は厳しく、台湾有事の可能性も指摘されている。いきなり倍増は難しくても、例えば2050年に現在の1・5倍を実現するのは可能でしょう。防衛力整備は将来に向けたトレンドを示すことが重要です。目標を定め、そこに至るタイムスパンを示す長期的なプランが必要だと思います」

 ――理解が得られますか。

 「重要なのは、これは戦争をするためではなく、戦争をしないための準備だということです。隙を見せれば敵が入ってくるのが世の常で、無防備なままでは紛争を招きかねない。相手が仕掛けてこないよう、準備を整えておくことが抑止につながります。それは今、どうしても必要なことです」

 ――台湾有事が差し迫っているのでしょうか。

台湾などの周辺国の有事を防ぐために、日本や米国ができることは何か。記事後半では、早稲田大学教授の植木千可子さんが、戦争を回避するための「抑止」について解説します。

 「そうは思っていません。近…

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